理事研修会(鹿児島)を開催しました
JASMEQ理事研修会
毎年恒例のJASMEQの理事研修会で、今年度は鹿児島県の鹿屋市と種子島を18名で訪ねましたので、ご報告いたします。
1日目
鹿児島空港に到着!あいにくの雨で東京と変わらない寒さです。鹿屋市の大隅地区養まん漁業協同組合を訪ねました。販売部の奥園課長の説明を受けてビデオを観てから工場の見学へ。加工工程のはじめは、立て場というところで桶が重ねられた中に入れられた鰻を半日以上水にうたせ、泥や匂いを取ります。そして氷〆をして仮死状態にして裂きます。無頭は背開き、有頭は腹開きです。皮面を上にして焼き始め、自動反転で皮面を下にして更に焼き、蒸します。大きかった鰻がだいぶ小さくなりました。タレ槽を4度通して焼きを行います。3回までは化学調味料、着色料不使用の同じタレで、4回目は粘着力のある仕上げダレになります。マチのある真空パックでロット番号も印字し、この番号でトレーサビリティーがわかります。そして急速冷凍をします。理化学検査をして、月に1回は公的機関での検査もしているそうです。
車で30分程離れた養殖場も見学させていただきました。ビニールハウスの中で養殖しています。水温20℃~30℃で、地下水を使用しています。集中室にてコントロールされていました。餌やりの時間は毎日朝の5時と夕方の4時と決められているそうです。餌はいわしやサバなどの魚ふんにビタミンCなどを添加したもので、鰻が殺到くる様は圧巻でした!
立て場 |
裂き |
白焼き |
タレ付け | 蒲焼 | 真空パック |
ビニールハウスの養殖場 | 集中コントロール室 | 餌槍 |
2日目
飛行機で2便に分かれて、種子島に向かいました。霧で悪天候の中、なんとか2便とも無事に到着いたしました。1便のみ種子島酒蔵を見学。原料芋はすべて自社農園で、減農薬、有機栽培しています。そして水にもこだわり、工場の地下306mの「岳之田湧水」を使って、甘くまろやかな味の、こだわりの焼酎を作っているそうです。そして2便と合流して、番屋峯公民館で、農事法人種子島茶生産組合の皆さんと、一緒にお昼をいただきました。地元のものを使ったこだわりのお弁当です。種子島には静岡県の掛川の方たちが100年ほど前に多く移り住み、お茶の生産を始めたそうです。「さえみどり」はJASMEQでもお馴染みの商品です。まずは工場を見学しました。予想以上に大きな工場でした。1番茶2番茶はお茶として数千円/㎏の値段が付きますが、3番茶4番茶はペットボトル用として50円~100円/㎏の値段しかつかないそうです。浅蒸し茶が主流で、あまり色がつかないので、関東などの深蒸しになれている地域の人にはなかなか馴染みがないようです。約4時間の行程でお茶になります。その後、お茶の畑を見学しました。かなり霧がかかっていましたが、この霧が美味しいお茶を育てるそうです。種子島のお茶の種類は10種類以上にも及びます。ちょうど「松寿」という品種が芽を出していました。これからがどこよりも早い新茶のシーズンになります。
そして安納芋の西田農産さんを訪ねました。もともと土建屋さんでしたが、従業員の雇用確保のために、安納芋を始めたそうです。焼酎用のさつまいもや、「安納芋」を地域のブランド化して成功しています。遠赤外線でじっくりとお芋を焼いていて、とっても美味しい焼き芋をいただきました。それからペースト状にしてから冷凍していました。お芋を貯蔵している石蔵も見学させていただきましたが、夏は川の水を屋根に引き入れて、温度を低くしているそうです。
種子島の夕日は、とてもきれいでした。
番屋峯公民館 |
お茶の工場 |
茶畑 |
西田農産 |
石蔵 |
夕日 |
3日目
3日目は沖ケ浜田黒糖生産者組合の見学をしました。「本場の本物」にも認定された沖ケ浜田の黒糖は、昔ながらの製法で作っています。原材料はサトウキビ100%で、沖ケ浜田集落のサトウキビ農家が自ら栽培したものだけを使用しています。糖度が高くなる11月から翌年3月までのサトウキビを一本一本手狩りして収穫しています。まずはローラー付き圧搾機に数本ずつ入れて搾ります。そこから高低差によって自然と大釜に流れるようになっています。長方形の大釜は3つで、一番釜から、二番釜、三番釜と順番に移していきます。グツグツと沸騰させて、中和するために少量の石灰を入れ、灰汁やゴミを網ですくいます。温度も100℃、115℃、125℃と徐々に上げていき、最後には一気に水分を蒸発させて、ねっとりと飴状になります。今度は大鍋に移して、撹拌棒でザクザクとかき混ぜて枠に入れてかためます。それをヘラで切って小さくします。口いっぱいに甘みが溶け出しますが、少し塩っ気も感じてとても美味しいです。
ローラー式圧搾機 |
大釜 |
沖ヶ浜田の黒糖 さとうきびの雫 |
2015年03月10日 カテゴリー: お知らせ・活動報告